あの輝きはなんだろう
バグの鼻先の遠い向こうに 僕が杖をさしたら
杖の先が ものすごいスピードで 遠い向こうを連れてきて
そこで女の子が一人で苦しそうに うずくまってたから
考える時間も忘れて 杖の先が連れて来た遠い向こうに 僕は飛び乗ったんだ
大丈夫?
僕が女の子に触れたとたん
目の前の景色が うじゃうじゃ気持ち悪い景色にかわって どんどんどんどん近づいて来たんだ
どんより暗い 生温い景色の向こうから
ひくい ひくい声で 近づいてくる
お前の糸も美味しそうだという声が
色んな方角から近づいて来て
もの凄く気持ち悪くて恐いから すっごく大きな声で叫んだんだ
いやだああああああああああああ!
ってね
そうしたらね
もの凄い地響きの音が 大きな竜巻を連れて近づいて来て 気持ち悪い景色が散らばりはじめて
ダーツの声が聞こえて来たんだ
ビビ! 目に見えると恐くないだろ?
ほら 今のうちに杖を向けるんだ!
ダーツは足にバグをしがみつかせ 一生懸命に翼でバタバタと扇いでくれてる
散らばり始めた気持ち悪い景色の中から見えて来たのは
「ソライ城の国の長老たちと 甘い糸の蜜を集めるブンブンだよ」
僕の後ろから女の子が叫びながら 目の前に現れたブンブンに杖を向けたらね
ビシュって言う音とともに ブンブンが紫色の風船になったんだよ
女の子は次から次に風船を飛ばしてる
僕は勇気をもらって杖をブンブンに振りかざした
そうしたらね
虹色の光りがシュビーンって言う音とともに飛んで行って 7つの風船になったんだ
それを見た長老たちは驚いて みんないっせいに雲になって逃げて行っちゃった
「すごいね今の 助けてくれてありがとう あたしはディ きみは?」
うん ぼくはビビ
遠くから ディの糸が叫んでいる様に光って見えたから 仲間と来てみたんだ
「仲間?」
うん 紹介するね
彼はバグ とっても鼻がきくんだ ブンブンの匂いを見つけてくれたんだよ
バグはすっごく物知りで いつもあのカバンに大きな本を入れてるんだよ
彼はダーツ さっきプテラノドンが 気持ち悪い景色を翼で吹き飛ばしてくれたでしょ?
今は鶏さんだけど あれダーツなんだよ
「バグもダーツもありがとう」
「さあ あの風船をよく見ていないと見失っちゃうぞ
割れちゃうと ソライ城の国の場所の手がかりがなくなっちゃうよ」
バグがそう言うと 僕ら4人は風船が割れるまで 空を眺めたんだ
「次はあそこだな さあ しっかり足につかまって」
ダーツがそう言って プテラノドンになった時に
ディはこっそり 僕の耳にささやいたんだよ
「ねえビビ もしかしてダーツはプテラノドンになっても大きさは鶏さんのまま?」
あははは
ほら ダーツの足をつかんで 寝そべって
そのまま持ち上げて飛んでくれるよ
ようし 出発だ!
そんなふうに
僕らは 風船をめがけて 新しい旅に向かったんだ